~オステオパシー的アプローチでゆっくり整えていく方法~
「なんだか毎日ずっと疲れている。イライラしたかと思えば、急に涙が出そうになる。眠れないし、身体も重い」
40代半ばに差しかかった頃、由美さん(仮名)はそんな日々に戸惑っていました。
「私はこのまま壊れていくのかな…」
「このまま、少しずつ自分が変わってしまう気がして…」
体もこころも、自分じゃないみたい——。
そう感じながらも、誰にも相談できずに過ごしていたそうです。
40代、50代を迎えた女性の多くが感じる、そんな“ゆらぎ”。
がんばってきたあなたが、がんばれなくなってしまうのは、あなたのせいじゃありません。
不安やつらさを「年齢のせい」とあきらめないで。
今のあなたに必要なのは、「我慢」ではなく「いたわり」です。
それらの悩みは“更年期の入り口”にあらわれる、女性の体と心のバランスの崩れ。
でもその背景には、見えないところでがんばっている“ある臓器”の存在があります。
それが「副腎(ふくじん)」です。
更年期に関わるホルモンの変化と副腎の負担
更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少します。
それにともない、ホルモンバランスを保つ役割が副腎へと移っていくのです。
副腎はもともと「ストレスに対応するホルモン(コルチゾールやアドレナリン)」を出す働きを担っていますが、
更年期にはその上に、エストロゲンの代わりの働きまで求められるようになります。
つまり副腎は、心のストレスと体の変化、両方を背負ってがんばり続ける状態になります。
副腎の血流と神経支配の仕組み
副腎は、腎臓の上にちょこんと乗っている小さな臓器です。
でも、そこには3方向からの血流(上・中・下副腎動脈)が集まり、
交感神経(胸椎10~12番からの神経)によって強くコントロールされています。
ストレスがかかると、交感神経が働き、副腎に「ホルモン出して!」という信号が送られます。
血流が悪かったり、自律神経のバランスが乱れていたりすると、このやりとりがうまくいかなくなります。
副腎が疲れると出てくる不調
- 朝がとにかくつらい、起きられない
- 寝ても疲れが取れない
- やる気が出ない、気力が湧かない
- 不安感、涙もろさ、イライラ
- 体温調節がうまくいかない(ホットフラッシュなど)
- 謎のだるさ、重さ、ふわふわ感
これらの症状は「加齢」「性格のせい」「更年期だから仕方ない」と思われがちですが、
実は副腎の疲労や自律神経の乱れが関係しているケースも多いのです。
オステオパシーで副腎をやさしくサポートする
オステオパシーでは、内臓を含めた全身の構造的バランスに着目します。
副腎に対しては以下のような方法でアプローチします。
- 胸椎10〜12番まわりの緊張をゆるめて神経伝達を整える
- 横隔膜や腎臓周囲の緊張をゆるめて血流を促す
- 内臓と背骨をつなぐ筋膜を調整し、副腎の位置関係を整える
- 硬膜、脳脊髄液、自律神経のバランスをやさしく調整する
体を通じて“内側の緊張”をほどいていくことで、副腎への負担軽減を図ります。
副腎をいたわることは、自分自身をいたわること
副腎は、あなたの「がんばり」を支えてくれている存在です。
でも、がんばりすぎた体と心が疲れてしまった時こそ、
「がんばらない」方向へシフトしていくことが大切になります。
オステオパシーの施術は、「頑張るあなたの内側」をやさしく解放する手助けになります。
更年期というライフステージを、無理に押し流すのではなく、ゆっくりと歩んでいけるように。
副腎と自律神経に目を向けることは、そんなあなたの力になるかもしれません。
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